近年、サイバーセキュリティのリスクは急速に高まっており、企業や政府機関はデータ保護やシステム防御のために新たなアプローチを求められています。その解決策として注目されているのが、ゼロトラスト(ZeroTrust)というセキュリティモデルです。今回のコラムでは、ゼロトラストの概要とそのメリットについて解説していきます。ゼロトラストとは、元々は2009年にアメリカのアナリストJohnKindervagが提唱した、ネットワークセキュリティにおける新たな考え方です。

その名の通り、「信用しない」ことを原則とし、すべてのユーザーやデバイスが悪意を持っているかのように扱い、常に最小限のアクセス権限を与えることで、内部からも外部からもセキュリティを確保しようというものです。従来のセキュリティモデルでは、ネットワークの境界を固く守ることで、内部から外部への脅威を防ぐことが主眼でした。しかし、クラウド技術の進化やリモートワークの普及により、企業のネットワーク環境は境界が曖昧になり、固定化されたセキュリティ対策だけでは十分ではなくなってきました。ゼロトラストは、このような状況に対応するために生まれました。

まず、各ユーザーのアイデンティティを確認し、適切なアクセス権限を与えます。次に、ネットワーク内でのアクセスが適切であるかどうかを継続的に監視し、異常が検出された場合には直ちに対処します。これにより、内部からも外部からもアクセス制御が行われるため、情報漏洩や不正アクセスのリスクが大幅に減少します。

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