工場のセキュリティ対策は、従来の物理的な工場への侵入や窃盗対策だけではなく、現代ではサイバー空間での不正アクセスに対しても実施する必要があります。不正アクセスを許してしまうと、顧客情報を含む企業機密が外部に漏洩する可能性があります。それと同時に、機密情報漏洩を攻撃側に止めてもらうために数十億のお金を支払うことにもなったケースもありました。工場内への不審者などの物理的なセキュリティは、施設内の大切な製品や資材、図面などの書類を直接的に守るためにあります。
これらが盗まれると、大事な情報だけでなくこの製造部門において強みだった特定の分野の図面などが他社に渡る可能性があり、経営上の優位性が失われる事態にもなるでしょう。物理的なセキュリティ対策の代表的なものは監視カメラや人感ライトを設置するというものです。侵入者の容姿を撮影することもでき、夜間でもライトを照らすことによって侵入そのものを躊躇させる効果を期待できます。さらに、入隊管理システムを導入すると、だれがいつどこに入室および退室したか分かると同時に、登録されていない人物の室内への侵入を防ぐことができるでしょう。
サイバーセキュリティに対しては専門家と連携することが重要です。現場判断で適切でないセキュリティツールを導入してしまい、まったく効果を発揮しないなどの事態が多発しているため、たとえ手間であったとしてもIT分野の専門家を雇って管理するようにしましょう。